蓮二は俺の変化に気付いていたのだろうか。気付いているから俺を避けているのかもしれない。
(蓮二に嫌われていたらどうしたら良いんだ……)
あの日の感覚を俺は忘れてはいない。あの時のことを考えると体が熱くなっていくのを感じる。
(やっぱり、こんなのおかしい)
不安が胸を襲う誰かに相談したい。でも、いったい誰に相談すればいいのだろう。こんなときいつもなら蓮二が俺の変化に気付いて俺が言い出す前に相談に乗ってくれたのだが……今回はそういうわけにはいかない。
(幸村に相談してみるか……)
蓮二と俺のことを相談するなら幸村に聞くのが一番いいだろう。あいつなら俺の話しを聞いても軽蔑したりしない。
(練習が終わったら幸村のところに訪ねてみよう)
そう決心したあとは少し気が楽になった、幸村ならきっと良い解決策をくれる。