BBS - デアイ

【非日常】

 

いつもと同じ道をいつもと同じような話をしながら帰るはずだった。あいつが…赤也があんなことを言い出さなければ……

「ジャッカル先輩って俺のこと好きなんッスか?」

「はあっ?」

後輩の突拍子もない言葉に俺は素っ頓狂な声をあげた。

(急にコイツは何を言い出しやがる…)

赤也はいつも唐突に質問してくる。そのたびに俺はあたふたさせられるのだ。

「……おまえは我儘だし、よく練習サボって(何故か俺まで)真田に殴られたりするけど……いい後輩だと思うぞ。」

俺の正直な気持ちを言ったつもりだった。でも、俺の答えを聞いた赤也はそれでは納得できないという表情で、その後とんでもない事を言いやがった。

「だぁぁー、そうじゃないッスよ。恋愛感情込みで俺のこと好きか聞いてんですよ!」

「…………なっ!!」

俺の脳みそが赤也の言ったことを理解するまでに数秒はかかった気がする。

「あほか!!俺ら男同士だろうがっ!!」

俺の精一杯の主張はすぐに返される。。

「なぁ〜〜に言ってんッスか。ソレ言ったら幸村部長や柳先輩それに仁王先輩と柳生先輩はどうなるんスか?」

「……なんでここで幸村や柳やヒロシたちの話題が出てくんだよ。」

赤也は珍しいものを見るような目で俺を見ていた。俺は更に何がなんだか分からなくなる。

「ジャッカル先輩ほんとに知らないんッスか?」

赤也が恐る恐るといった感じにたずねてくる。

「だから何をだよ!!」

俺はだんだんと苛ついてきた。他のレギュラー人は皆3年で今まで1年からずっと一緒にテニスをしてきた仲間だ。今、赤也は知っていて俺には知らない出来事がある。しかもソレは赤也の反応からして知っていて当然という物らしい。俺はなぜか仲間はずれにされたような気になった。そうしていると、赤也が重々しく口を開いた。

「……幸村部長と柳先輩が真田副部長のこと取り合ってて、……仁王先輩と柳生先輩が付き合ってることッス……。」

信じられないような内容に俺の脳みそは再び活動を停止した。